CASE事例紹介

不動産業界の老舗企業の黒字転換

経営再建および事業拡大の実例:不動産業界の老舗企業の黒字転換

 

弊社4Mは、単なる財務コンサルティングに留まらず、クライアント企業に対して出資や買収を通じた経営支援を行い、事業の拡大や再生を手掛けている点が他社と一線を画しています。そのアプローチは、外部からの助言にとどまらず、実際に企業の内部に入り込んで経営を直接サポートすることで、抜本的な変革を実現するものです。

 

今回ご紹介する事例は、創業50年を超える老舗企業の経営再建プロジェクトです。この企業は、1970年に設立され、長年にわたって広告業を主軸としたビジネスを展開してきました。しかし、先代の創業者から2代目社長へと経営が引き継がれた後、コロナ禍による市場環境の急激な悪化に直面しました。不動産業界全体が低迷する中、同社も業績が大幅に悪化し、債務超過に陥る事態となりました。3期連続で赤字を計上し、経営は深刻な危機に直面していました。

 

ここで弊社4Mは、同社の経営権を取得し、徹底的な経営改革を推進しました。まず注力したのは、新規事業の立ち上げです。既存の広告事業はコロナ禍での打撃が大きく、依存し続けることはリスクが高いと判断しました。そのため、従来の事業モデルに代わる成長分野として、D2Cブランド事業やNFTアート事業といった、新たなデジタル分野への進出を提案・実施しました。これにより、既存の不安定な収益源からの脱却を図り、長期的に安定した収益基盤を構築することに成功しました。

 

財務再建の具体的施策

 

財務面での再建プロセスにおいては、「費用の利益貢献の可視化」を第一に実施しました。まず、売上に対する費用の比率が高い項目を精査し、業界水準や競合他社と比較した上で、コスト削減の余地を特定しました。主要な費用項目は通常3〜5つに集約されるため、それらを総勘定元帳で詳細に確認しました。特に、固定費と変動費の区別を明確にし、利益を生むためにどれだけの費用がかかっているか、またその費用が利益にどの程度貢献しているかを定量的に分析しました。

 

これに加え、固定費の削減と変動費の最適化にも取り組みました。具体的には、既存のサプライチェーンを見直し、変動費の削減を図るとともに、新たな調達先の開拓や、契約条件の見直しを行いました。また、単価の引き上げを検討する一方で、事業全体の採算性を慎重に評価し、最適な価格設定や商品ラインアップの再構築を行いました。このような一連の施策により、短期的なキャッシュフローの改善を図りつつ、中長期的な利益率の向上を実現しました。

 

経営改善の多角的アプローチ

 

さらに、財務面だけでなく、企業全体の経営体制も根本から再構築しました。まず、再生計画を策定し、それに基づいたコストカットの実施により、不要な支出を抑制しました。同時に、従業員の意識改革を目的としたビジョンの共有や、社内ワークショップの実施によって、全社員が同じ目標に向かって邁進できるような体制作りを進めました。これにより、企業内のコミュニケーションが活性化し、従業員のモチベーション向上にもつながりました。

 

また、金融機関との連携を強化し、必要な資金を円滑に調達するためのサポートも行いました。これにより、事業拡大に必要な投資資金の確保を実現するとともに、財務健全性の向上を図りました。さらに、営業組織の再編や人事制度の改革も実施し、組織全体の生産性向上に取り組みました。

 

成果と今後の展望

 

これらの包括的な取り組みの結果、当初は3期連続の赤字に苦しんでいた企業は、見事に3期連続の黒字を達成することができました。また、債務超過も大幅に解消され、健全な財務体制を取り戻しました。この成功事例は、弊社4Mが提供する財務コンサルティングが、単なる表面的な助言にとどまらず、実際の事業再建にまで深く関与することで、クライアント企業の根本的な改善を実現できることを証明しています。

 

多くの企業が、黒字化が困難だと考えられる状況に陥っていますが、正しい施策と専門的な支援があれば、事業の再生は可能です。会社の使命は、従業員の生活を守り、社会に貢献することであり、そのためには黒字を維持し続けることが不可欠です。弊社は、こうした理念を共有する企業のパートナーとして、今後も多くの企業の成長と再生を支援してまいります。